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パーソナライズされたメールを一瞬で作成する生成AIツール:Autobound

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パーソナライズされたメールを、一瞬で数千通作成できる生成AIツール「Autobound」をご紹介。

営業活動におけるメールの作成は、見込み顧客に関する企業情報や最新のニュース、財務情報などの情報を収集しパーソナライズされた文章を書くとなると、かなりの時間を要します。

新規営業であれば、顧客アプローチの量は多い方が望ましい一方で、返信率を上げるためにその顧客にしか当てはまらない情報を盛り込もうとすると、1件1件のメールを作成する時間が長くなってしまうというジレンマが存在します。


ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)は文章の作成を行うことが可能であるため、メールの作成はLLMのユースケースとしてよく取り上げられますが、見込み顧客情報の収集とパーソナライズを同時に行うためには、単なるプロンプト(LLMへの指示文)だけでは不十分です。

今回は、生成AIを活用して何千通ものパーソナライズされたメールを一度に作成できるサービス、Autoboundを紹介します。



Autoboundの機能


Autoboundのサービスページには、サービスの使用方法を示すデモ画面があります。実際に体験することで、顧客群ごとのグループ作成や個別顧客向けのパーソナライズされたメール作成機能を試すことができます。

Autoboundサービスページ


グループに対するパーソナライズメール


グループに対してメールを作成する場合は、Smart Template Personalizerという機能を使います。まずは、顧客群が記載されているCSVをアップロードし、それらの顧客に必ず伝えたい内容を盛り込んだ、テンプレートとなる文章を記載します。

ボタンを押して次に進めると、アップロードしたCSVファイルにテンプレートの文面と、その横に顧客ごとにパーソナライズした文章が記載されます。



デモの画面では、「弊社のホワイトペーパーをあなたがダウンロードしていたので、手伝えることはないかご連絡しました。」といったテンプレートが作成されています。

パーソナライズされた部分では、送信先のメールアドレスからLinkedIn上の情報を参照したり、会社名を検索したりすることで、見込み顧客の役職や業界に関する文面が自動で作成されています。

その後、メールの文面が記載されたCSVファイルを再度インポートすると、自動作成されたメールを編集できるような画面が立ち上がります。文章に問題がなければ、そのまま送信することが可能です。



1対1のパーソナライズメール

次に、見込み顧客と1対1の形式でパーソナライズしたメールを作成する場合です。

顧客データが記載されている画面でAutoboundのアイコンボタンを押すと、その顧客の名前や会社名からデータの収集が開始されます。

収集されたデータには、どのような競合製品を見込み顧客が使用しているかや、PodCastやYouTubeでの発信内容、LinkedInの投稿やプロフィール情報などが含まれます。これらは、ユーザーが販売したい製品と比較分析され、見込み顧客に特化した情報を提供します。


パーソナライズされた情報を使用してメールの文面を作成する中で、選択範囲をさらにリライトすることも可能です。

実際に作成されたメールには、

・見込み顧客の前職の会社が、現在弊社の顧客であること

・見込み顧客の財務情報から、販売生産性が落ちていること

・見込み顧客が最近昇進したこと

・見込み顧客の会社が資金調達をしたこと

などの情報が散りばめられており、自力でこうした情報を収集した場合、一つのメールを作成するのにも30分以上は要すると思われる作業を、数秒で完了させることができます。


APIの提供

Autoboardが提供するAPIは、最初の100件のリクエストまで無料で使用できます。このAPIには、顧客情報からパーソナライズするためのデータを収集する機能と、そのデータを基にメールを作成する機能が含まれています。

AutoboardのAPIドキュメント



メールの分析機能


メール送信後には、その効果を測定することが重要です。Autoboundには、見込み顧客ごと、メールごとの分析画面が備わっており、開封率や返信率などをリアルタイムでチェックできます。

さらに、チームの業務効率も可視化され、メール作成にかかる時間が先月と比較してどれだけ短縮されたかを確認することが可能です。



以前紹介したGTM Buddyは、顧客の反応から、送付した資料の有効性を分析する機能を提供していました。これにより、どの資料が見込み顧客にとって最も効果的であったかを把握できます。

「営業担当者のための生成AI Copilot:GTM Buddy」

現状、AutoboundはGTM Buddyのような分析機能を提供していません。しかし将来的には、メールのやり取りを通じて大規模言語モデルが文脈を理解し、返信内容を分析する機能が追加される可能性があります。


このような進化により、「どのような訴求や提案が反応を得やすいか」という情報を大規模言語モデルが学習し、顧客特性に合わせて返信率を高める文章を継続的に生成することが期待されます。



Autoboundの価格

Autoboundの価格設定には、フリープランの他にProプランが月額$39(約5700円)、エンタープライズ向けにはカスタム価格が設定されています。


個人や中小企業にも手頃な価格で提供されていますが、多くの取引先や見込み顧客を持つエンタープライズ向けのプロダクトとしても適しています。

加えて、AutoboundはAPIと同様に、月間100通まで無料で使用できるため、導入前に効果を試すことが可能です。



まとめ

Autoboundは、生成AIを情報の収集とメールの作成に活用することで、見込み顧客にパーソナライズされたメールを、瞬時にかつ大量に作成することを可能にしていることがわかりました。

人間から見れば、メール作成の自動化は単純なタスクに見えるかもしれません。しかし、見込み顧客の関連情報を正確に収集し、それをメール文面に反映させる作業には、モデルのチューニングや適切なプロンプトの探索が必要です。

そのため、参入障壁の高い、他社に簡単には真似されないようなプロダクトになっていると思います。

弊社でも、日々のセールス業務を効率化・自動化するツールの開発を行っております。また弊社は、大規模言語モデルに専門知識を埋め込む「RAG」という技術や、非構造・半構造のデータを構造化・正規化することに強みを持つ会社です。

それらの技術を活かしたプロジェクト組成やMVP開発のご支援も行っておりますし、「そもそもどのような業務に生成AIを活用できそうか」という上流工程から伴走することも可能です。「情報収集も兼ねて相談したい」というお客様も、お気軽にお問い合わせください。

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